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今の室蘭駅は、新しくて洒落た駅舎になっていますが・・・現在位置より1.1キロ先に旧室蘭駅。
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室蘭線は、明治25(1892)年に開通。今年は2016年なので、124年の歴史を持つ、とても古い路線。現存する建物は大正に改元する直前の明治45(1912)年建築。北海道のなかでも最古参。
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クルマがあまり普及していない時代、人の移動は鉄道しかないので、駅舎もかなり大きく、貫禄あり。
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といっても、1997(平成9)年までは現役の駅舎として使われていました。明治の建築では、とても広い空間になっているようです。日光駅舎も大正元年に建てられたもので木造洋風のルネサンス様式。駅員さんも、JR東日本の制服ではなく、大正時代に使われた制服のレプリカ着用。JR九州の門司港駅も1914(大正3年)建築のものを現役で使われており、現在は駅舎保存修理工事のため仮駅舎に移行。JR九州の制服ではなく、復元した鉄道省制服着用。当時の鉄道省職員は、かなり大威張り。汽車に乗せてもらえるだけでありがたいと思えっ!!と乗客を見下す態度。切符を買う乗客のほうも、ペコペコ鉄道省の職員に頭を下げていた。戦後まもなく制定された日本国憲法では、公務員は「全体の奉仕者」と制定されています。戦前の大日本帝国の官吏に対する扱いは、「天皇の官制大権」とされていたので、鉄道省職員も庶民をバカにしていたようです。
古い鉄道省時代の建物を見ただけで鉄道省職員の態度まで知っているのは、いろんな知識を収集できる今の職場のおかげなのかも知れません。