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【廃】鷲ノ巣(わしのす)駅は心暖まるドラマがありました

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 2016(平成28)年3月25日廃止の前に、金華駅に掲示してあった運賃表を心なき者によって盗まれたと全国ネットワークで報道されましたが、鷲ノ巣駅は心暖まるドラマがありました。本当は見逃してしまうところを、友人から「今夜のトコロさんで北海道の廃駅になる秘境駅が出る」と知らせてくれましたので、録画予約。
 どこの駅なんだろうと思ったら、函館本線の鷲ノ巣駅でした。北斗星やカシオペアで通過したはずなんですが、その駅の存在すら気づきませんでした。鳥の巣シリーズで鷲ノ巣がなくなっても、東京都の青梅線に「鳩ノ巣(はとのす)」駅、福岡県の香椎線にも「雁ノ巣(がんのす)」駅あり。

 秘境駅でロケをするお馴染みの安田さん。待合室のドアを開けて、中に入る様子が放映されたとき、私もビックリ!!どなたか住んでいるかような生活感あふれるお部屋。毛布や枕も完備。まさか?昔の小幌駅みたいに待合室を自宅代わりに使っている?と頭をよぎりましたが・・・違っていました。


 JR北海道函館支社から、鷲ノ巣駅を気持ちよく使っていただけるように様々な美化にご協力いただいた感謝状が貼られていました。その後・・・鷲ノ巣を惜しむ鉄道ファンの方々がたくさんお見えになられましたが、ここでは割愛させていただきます。

 50年前、駅に住んでいたというお方が現れ、現役最終日にいらしていました。

 昔は貫禄のある大きな駅舎でした。日本一秘境の小幌駅も、信号場として開業しているので駅員さんが駐在できるような駅舎はあったそうです。ネットで調べても、小幌駅舎の写真や、小幌から何々ゆきの硬券とかの資料は皆無。
 この方こそが、駅をきれいに掃除している方かと思いましたが、違っていました。

 ボランティアで駅をきれいにしている方を探していると噂が耳に入ったのか、「駅をきれいにしている方は、私の隣人。隣の八雲から自転車で来ているんだけど、駅を人に知れずきれいにしている方がおられるとネットで話題になり、どうしても素性を明かしたくない理由で人がわんさかになる最終日は見送りに来ない、とのことです。乗客が寒くならないように毛布や防寒服、使い捨てカイロ、テイッシュ箱、八雲郵便局のカレンダー、お花とか飾っていました。見知らぬ乗客のためにそこまで気遣う方なんて、滅多にいないことです。ほっこりするような話題でした。

 やがて・・・3月25日(金)21時51分 森行きが72年の幕を閉じる最後の汽車。降りた方は0名、乗車3名(ファンの方)。

 最後の汽車を見送って、1分後。いきなり解体作業開始っ!!

 現役だったのは21時51分まで。1分でも過ぎると、もう駅として役目は終わっているので、駅名票撤去とは早すぎる・・・。さすがに1分や1秒でも正確なJR。運転士さんの携行する鉄道時計(懐中時計)や車掌さんの腕時計は、出勤直後、秒まで時間合わせ。1秒でも狂いなく、時刻表通りに正確にやってくるのは世界で日本だけだそうです。日本人は規律正しい。

 50年前も全く同じだったホームに入るための階段も閉鎖。

 駅待合室にあった生活感あふれる備品は、丁寧に段ボール箱に移し替え、持ち主が現れるまで丁寧に保管してくれることになりました。待合室の鍵閉めは安田さんの手に委ねられ・・・封印。

 電気もOFF!!

 解体作業はわずか3時間。鷲ノ巣だけではなく、白滝シリーズ3駅(上白滝、下白滝、旧白滝)、金華、東追分、十三里(とみさと)、花咲(はなさき)、全部で8ケ所が廃駅。

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