日本ろうあ連盟創立70周年記念映画の「咲(え)む」、地域のろう協会より是非多くの人に見ていただきたいと話があり、職場の同僚そしてうちの親も連れて見に行きました。
今までの作品といえば、ろう者役を聞こえる人が演じており、私たちが普段使う手話の文法的な表現ではなかったり、ろう文化とはかけ離れた内容だったので、実態と異なる内容を世間に広まっては誤解されると何度も思いました。今回の作品はろう者の早瀬監督をはじめ、主人公やそれを取り巻く出演者もほとんど、ろう者。日常的な会話も自然な手話表現、しかも、手話を全く知らない聞こえる人は身振りで懸命に伝えようとするとか、本当に違和感のない内容でした。ストーリーはネタバレになるので、ここで割愛させていただきますが、ろう者の視点からみた、いくつかの「ろう者あるある」を取り入れています。それで、一般の映画と同じく全国で上映し、聞こえる方もろう者の生活実態を理解していただければと願っています。
昭和から平成にかけてのろう者が出る映画やドラマはお涙頂戴ストーリーばっかりで見る気を失せてしまいますが、令和になった今。いつまでも昔のネガティブを引きずることはなく、主人公の前向きなアイデアを出し、村人達を元気づける内容はすごくよかったです。主人公は自然な手話なので、手話達者の聞こえる人?本当にろう者?どっち?と思いましたが、あとでキャスト情報を確認してみたら、正真正銘のろう者でした。
この作品は2019(令和元)年に完成し、2020(令和2)年3月から上映する予定だったのですが、その頃は中国ウイルスが世界にパンデミックが始まった頃。およそ1年半の延期でしたが、全国で順次上映中です。今日は地元で上映会でした。
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「咲(え)む」の映画はとても良かった
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