「図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする。」
北海道の稚内市、根室市から沖縄県の与那国島まで「図書館」または「図書室」もあります。伊豆諸島でも御蔵島のように学校の図書室を島民向けに解放されているところもあります。青ヶ島村立図書館も20年前初めて上陸したときはNDC(日本十進分類法)に沿った並べ方ではなく、でたらめに無造作に置かれている状況にカルチャーショック。さすがにこのままでまずいと思ったのか、2007(平成19)年頃からある程度、NDCに沿った仕分けが行われ、目的の資料を探しやすくなりました。新しい体育館ができると、武道室も移転。空いたスペースを図書室拡張。青ヶ島に関する郷土コーナーも設けられ、高津勉先生(※)がまとめた資料とかいろいろ閲覧できるので1日居ても飽きないかと思います。
(※)時代は遡って昭和25(1950)年頃。内地から青ヶ島に赴任して来た教師が過酷な環境にお手上げ。青ヶ島方言のみの会話が行われ、内地から来た先生はちんぷんかんぷん。数ヶ月ごと来る船に乗っては逃亡する教師が多いさなか、高津勉先生だけは最初の頃は次に船が来たら逃げようと考えてばかりでしたが、このままだと青ヶ島の子ども達に未来はないとずーっと留まって島で初めて修学旅行を実現させたり、学校に図書室を設け資料を揃えるなど教育改革を施し、様々な偉業を成し遂げた先生です。
小笠原村に本屋があるかといえば、生協に1週間分まとめた新聞や週刊誌や月刊誌を並べているのを数年前見かけたことはあります。近年、光ファイバーが導入されているので、「紙」よりも「デジタル」で情報を入手する時代。今は紙の雑誌を並べておいても、どなたも購入する人はいない。需要減少により、小笠原村における雑誌の販売はしなくなったと思いますが、図書室は先ほど申したとおり、国民の知る権利として、ここでも「おがさわら丸」で新刊が納入されています。
新刊はできるだけ多くの人に読んでもらいたい。どこでも新着本のルールがあります。
ここにある資料はぜんぶ、小笠原に関する郷土資料。
全部読破するのに、1ヶ月程度、島に滞在する必要はありそう・・・。もちろん、母島でも村民会館内に図書室はあります。