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天幕駅の次は、中越駅。廃駅になってから14年目経過、JRの石北本線は現役でも、駅そのものがなくなっているので、普通列車も特急もすべて通過。でも、私たちはレンタカーなので、廃駅になっても各駅停車。
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在りし日の中越駅。(オレンジカードの写真より)未使用のまま永年保存にするつもりですが・・・今の時代、ICカードが主流になっていて、オレンジカード対応の自動券売機はいつまで使えるかわからない。まさか、昔の郵政省ふみカード(郵便局のプリペイドカード)や、日本道路公団のハイウェイカードみたいに、対応する機器をすべて撤去するので、未使用カードや残額のあるカードを引き取って、現金でお返ししますってことはないでしょうか。国鉄のオレンジカードたくさん眠らせたまま、なかなか出番はない。近距離区間を乗車するなら、いつもICカード。目的地までの運賃を調べて、裏が黒色の磁気券を購入することは皆無。国鉄が「オレンジカードは無期限とします」と1985(昭和60)年に公約したとおり、永久的に使えるようにして欲しい。JRの旅客営業規則の第306条はオレンジカードについての条文が書かれてあり、使用期限の記載はありません。使いたくても、もったいないから使う予定なし。ということは、JR北海道は販売した分、丸儲けってことになります。
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中越駅も、わかりずらい場所にありました。「たぶん、このあたりにあるかも知れない」とナビしていた助手席の友人。交通の支障にならないように、道路の空きスペースにクルマを停め、友人は周辺を探しに出かけました。
しばらくすると、「ありました!」とケータイに着信。どの辺かなとあたりを見回すと、ずっと奥のほうで友人が手を振っていました。歩いていこうと思ったら、「クルマをこっちに持ってきても大丈夫」と言うので、クルマに戻り、エンジンをかけて・・・
なるほど、「中越駅」の古めかしい標識。
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国道から奥に入ったところに駅舎。
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中越駅の開業は、さきほどの天幕駅と同じく昭和4(1929)年。現在は、中越信号場に格下げされていて、たまにJR関係者が立ち寄るので、まだまだ現役の建物です。
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今は廃墟に近いですが、昭和4年開業当時は、周辺に民家がたくさんあって、駅もにぎわっていたに違いない。
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これは・・・たぶん、中越駅に駅員さんがたくさん駐在していた頃、暖房用の灯油タンク。
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ホーム側に回ってみます。
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改札ラッチ跡。ずっと昔の鐵道省時代、ここに駅員さんが立って、「中越より奥白滝ゆき 3等 通用發賣日共2日 ○○錢」の硬い切符にパンチを入れたかも・・・。通用發賣日共2日は、わざと旧字体を使いましたが、発売日から2日間有効という意味になります。昔は近距離でも2日有効だったらしい。
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行き違いが出る、レールが3線。
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駅長事務室に、駅員が寝泊りできる部屋とか、備えているに違いない。山口県の何もない日本海側の漁村、長門二見駅も昔は始発が朝3時、最終も23時半。汽車が到着するたびに駅員さんが改札口に立っていました。事務室の奥に寝泊りする部屋あり、だったというのは覚えています。昔の二見は人口も多く、栄えていたというのに、現在は駅前の二見小学校が廃校になり、超過疎地となってしまいました。
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建物はしっかりしているのに、ホーム側は朽ち果ててしまいました・・・。中越駅の続きはまだあります。