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天幕駅の存在を知ったのは、ずっと昔。普通列車が1日1往復しかなく、1本乗り逃がすと次に来るのは24時間後。日本一秘境村の青ヶ島行きは1日2本ないし3本(2016年1月からは朝9時30分発の船と、9時20分発の定期ヘリコプターと臨時1本)に比べると、非常に極端。
2000(平成12)年、北海道を一周する家族旅行で石北本線の秘境駅をすべて巡拝したいと考えていましたが、家族は秘境や駅、鉄道には無関心なので、全然楽しくないに決まっている。どれか1つだけに絞るとしたら、奥白滝駅のみ。あれから何年目でしたっけ?もう廃止になってしまいましたが、15年目で巡拝に成功。
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JR北海道旭川支社が「さよなら北の駅たち」と称して記念オレンジカード発売。現役時代の天幕駅。
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カーナビはもちろん廃駅の所在地を示してくれない。経度や緯度を調べ、入力しようと思っても、レンタカーのカーナビにそんな機能はついていない。カーナビを見ながら、あのあたりにあるのではないかと勘に頼るしかない。いったん、国道を通り過ぎてしまいましたが、友人は廃止になる前に全駅を来訪しているので、遠い昔の記憶を思い出したのか、「天幕駅は、道幅の広い国道にあったのではない。裏の小さな道に入って、そこだったような記憶がある」友人の指示とおりにクルマを走らせると、「ストップ!!このあたりかも知れない」「えっ!?この奥に駅舎があったの!?信じられない」
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この付近にクルマを停める。
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これが天幕駅前なんですかっ!?何もなくって、本当に寂しい。
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奥に入ってみると、ビンゴ!!確かに記念碑がありました。私だったら、絶対に見つけられないのに、友人はよく見つけました。もう14年前だというのに、位置まで正確に把握しているのに驚き。道からよくわかるように「天幕駅跡地」と標識をつけたらいいのに。
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天幕という駅名は明治29(1896)年石北本線を敷設するための調査を行っていた鉄道建設部長の田辺朔郎(琵琶湖疏水を設計した技術者)が、この付近で寝食の世話をしてもらった天幕三次郎という人物に感謝の意を込めてこの駅名をつけたといわれている。
つまり、この駅の近くに住んでいた天幕さんにお世話になったから、そのまま駅名になったと思われますが・・・現在は無人地帯になってしまいました。やがて、30年後、石北本線が開通し、昭和4(1929)年11月20日開業。平成13(2001)年6月30日廃止。
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記念碑は駅舎の中心地なので、たぶん、待合室跡に立っているかも・・・??
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新旭川から50.5キロ。
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奥に見える建物は信号関係の施設。今立っている場所はホームのはず、廃駅になってから14年経過しているので、コンクリートではなく周辺の自然と同化してしまいました。
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ここはもともと、相対式ホーム2面2線の駅。今使われている線路の向こうにも線路があって、ホームもありましたが、2000年に撤去。今はもう見分けができなくなっています。
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これは・・・もしかしたら昭和4年に建てられた木造駅舎の廃材が山積みになって放置されたままなのかも知れない?次は、中越(なかこし)駅です。