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品川に行ってきました!

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 11月17日。日本で唯一バイリンガル教育を行う、明晴学園に行ってきました。今年で開校10周年目になる、大切な節目。

 学校法人として開校したのは2008(平成20)年ですが、歴史を紐解いていくと、1998(平成10)年からスタート。20年前、ろう学校は母語の手話で教育が行われているのではなく、先生も手話を使わず、音声のみで授業を行う。生徒たちも声で話すこと!と強要されていた時代。生まれながらにして音声機能を身についているわけではなく、耳から聞いた言葉を言語化にすることはできない。もっぱら目に見える文字の日本語の獲得に土台となるのは、もちろん手話も大切。

 そこで、国王様のろう文化宣言(1995年)から3年経った1998年、ろう教育チーム発足。ろう児を集めてクリスマス会が行われた翌年の1999(平成11)年4月、フリースクールの龍の子学園開校。

 フリースクールではなく、学校法人に格上げするため、内閣府に「バイリンガルろう教育特区」を申請。2007(平成19)年12月20日、学校設置認可。龍の子学園に通っていた子供たちは、学校法人に認可された学校で公立の学校に通っていると同じように卒業証書も与えることもできる。

 2008(平成20)年3月、フリースクールの龍の子学園閉園。

 あれからもう10年目。本当に歳月の流れは早い。



 午後からは文化祭に相当する、千神祭です。千神は、ろう児が生まれる確率は千分の1だから、そのような由来でしょう。
 声を発することはなく、すべて手話で演じていたので、私の立場からにすると、見ていて楽しい内容でした。もし、昔みたいに口話でやっていたら、内容も全然理解できず想像に任せるしかなかった。
 フィナーレは「自分の10年後はどんな人間になっていますか?」と中学生1人1人聞く場面があって・・・「自分の将来は駅員さんになることです!」と答えた生徒も!!自分の将来設計を考える大切な時期ですし、今の時代なら将来はきっと叶えるでしょう!!「駅員」の手話をよーく見たら、左手を開いて、右手は改札鋏で切符を切る表現。まあ、確かに自動改札機が普及している現代、「駅」の手話は、昔ながらの切符を切るシーン。今の中学生は改札口でパンチを入れる風景を見たことはないはず。ろうの先生や、まわりのろう者が駅の手話を昔ながらのパンチを入れる表現。それでおのずと無意識に表現していると思います・・・。
 私が子どものころからずーっと通学に国鉄を利用していたこともあり、将来は鉄道員になりたいとJR東日本にエントリーしましたが・・・2次で落っこちてしまいました。故郷は山口県なので、西日本もしくは九州になるはず、東日本を選んだのは日本の首都と憧れていたからでしょう。都心のサラリーマンになること、といちおう憧れは達成したが、数年で挫折し、今の田舎暮らしに逆戻り。


 明晴学園10周年記念タイムカプセルは2時間40分あたり。学校の敷地内に埋め、10年後の自分はどうなっているのか、自分あての手紙を書いたもの。
 生徒:「漁師になることです」
 インタビュアー(女子生徒):「えっ?漁師なんですか?何でですか?」
 生徒:「漁師はとてもかっこよくて」
 インタビュアー:「あなたは?」
 生徒:「デフリンピックに出場して受賞することです」
 インタビュアー:「デフリンピックですか。種目は何ですか?」
 生徒:「水泳です」
 インタビュアー:「頑張ってくださいね」
 インタビュアー:「次です、あなたは?」
 生徒:「俳優になることです」
 インタビュアー:「俳優ですか!?将来はきっと有名人になるんでしょうね」
 生徒:「ありがとうございます」
 インタビュアー:「あなたは?」
 生徒:「将来は駅員さんになることです」
 インタビュアー:「駅員さんですかっ!?ろう者の駅員さんっていないんですよね」
 生徒:「そうですね」
 インタビュアー:「じゃあ、あなたが第1号になるんですよね」
 生徒:「ありがとうございます」
 インタビュアー:「あなたは?」
 生徒:「プロのスキーヤーになることです」
 インタビュアー:「スキーヤーなんですか。何でですか」
 生徒:「自分が幼い頃からスキーに熱心していたからです」
 インタビュアー:「そうですか、叶えるように頑張ってください」

すべては少し無理ですが、抜粋です。私が中学生だったころに比べると、今のほうが自分の意見をはっきりと言えて、しっかりとしていますな~。

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